オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『The Fantastics 』 ーボーイ・ミーツ・ボーイ版ー (日本初演)
ピアノ演奏で出演いたしました。
ミュージカル 「The Fantasticks」―ファンタスティックス―ボーイ・ミーツ・ボーイ版・日本初演
2022年9月14日~19日
ウッディシアター中目黒
台本・詞:トム・ジョーンズ 音楽:ハーヴィー・シュミット
翻訳・訳詞:山内あゆ子
演出:勝田 安彦
エル・ガヨ/柳瀬大輔 マット/北野秀気 ルイス/大根田岳
ミルドレッド/杉村理加 ベッシー/宮内理恵
ヘンリー/川端槇二 モーティマー/鹿志村篤臣
ミュート/齋藤かなこ
ピアノ/酒井萌音 ハープ/梅津三知代
音楽監督・歌唱指導/島田久子 振付/辻村薫音 衣装/倉岡智一 照明/飯田文 音響/実吉英一 ヘアメイク/森川智未 舞台監督/川除学 広告デザイン/910デザイン 制作/上川花菜江
場面写真はタチ・ワールドさんHPへ♪
不朽の名作『ファンタスティックス』を御歳94歳の作者トム・ジヨーンズさんがボーイミーツボーイ版に書き直した新版でした。
『I Do! I Do! 』に引き続き、本番での演奏と稽古ピアノを担当しました。
前回のI Do! でも、演出の勝田先生をはじめ、ベテランのキャスト・スタッフの皆様に支えられ、教えて頂きましたが、今回は同年代のキャストさんもいてとても心強かったです。
最初にお話を頂いたのはI Do! I Do! の稽古中でした。
ファンタ!絶対にやりたい!二つ返事。
でも正直、不安に思いました。
ボーイミーツボーイをLGBTQとして扱うおはなしかしら。それを新時代的な驚きとともに上演するのかしら。
手垢がついています。
もし、パートナーが男性の男友達におすすめ出来ないような作品だったら...。
私は最早、そういうのには潔癖症になりかけています。
話は脱線しますが、幼い頃カリフォルニアに住んでいて、クラスメイトにゲイの男の子がいて、スーパーでは男同士手を繋いで買い物をしていて、日本に来ても音楽家の大人や友達は特に、普通にLGBTQがいる。そんな環境で育ちました。
だから、背の高い人や年上の人など、恋愛対象に条件があるのと全く同様のレベルで、性別という要素があると思っていました。
そうやって、それぞれ違う好みを持つのが当たり前だと思っていたけど、大人になってその感覚が一般的でないと気がつきました。
さて、そんなThe Fantastics 新版。
理想のボーイミーツボーイ版でした。
特殊とされてきたボーイミーツボーイが、ただの恋愛として出てくる。
劇中、エルガヨが母親たちから、カップル候補は「若者2人」と聞き、心配じゃないのかと問い返します。
唯一ゲイについて言及された場所を上げるとすれば、ここだけ。
でもこれだって、「若者=男2人」だから心配なのではなくて、「若者=若い2人」だから心配では……とも取れます。(日本語ならね。原典は読んでないので、それによっても変わりますが)
さて、そんなファンタステァックスですが、本当に本当にステキな舞台でした。
なんといっても曲が良い!!!
めまぐるしく曲のジャンルが変わるミュージカルなんです。
ジャンルによってビートも違えば音色も違う。
歌い方も違うから、それにどう合わせるかも違う。
台本を読み込んで、解釈をすり合わせて、役者さんのお芝居によって音色や細かな息遣いを考えて…。
そして照明、衣装、美術と、会場のその場の空気と合わせて音楽にのせていく。
今回は音楽監督の島田先生がいらしたので、本当に色々なことを教えて頂きました。
たった1ヶ月とすこしの事だけれど、おそらく一生忘れないと思います。
役者さんやお衣装、照明…と、語りだしたらきりがないのでここらへんで。
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